平和な町、友人と歩く。
それは穏やかで暖かな時間、まるで昔の、
戦争を知らなかった頃に戻ったみたいな。
けれど。
『ナチュラルどもめ』
『我らの力を見せつけてやるのだ。』
ここはコーディネーターの国、こういった差別は昔はどうだったのかは知らないけれど。自分の知っているここでは日常茶飯事の事。
「だからさ。」
「そうそう。」
笑う、笑いあう、あの頃のような日常。
路地をでるとコロコロと鈴の音がなるような笑顔が聞こえた。そして、
くるくると楽しそうに回る少女、ぶつかって、
思わず支える、幸福の固まり、けれど
「大丈夫?」
「誰?」
振り向いた少女が見せたまなざしは。
「おまえ、胸さわっただろ。このラッキーボーイめ。」
違う、あの目は、そんな物じゃなかった
自分は知ってる。その憎しみを。
彼女は、知っていたのだろうか?
自分が、軍人である事。
戦争をする人間。
家族を奪ったあの災いを作る存在。
生き抜くために。
汚れていく、自分。
境界線なんてとおに越えてしまった。
戦う、その技術を学ぶ。
人殺しの手段も沢山覚えた。
人を不幸にする力ばかり身に付いた。
でも、笑ってる。
友達と、こうして買い物して。
生きてる、楽しい事をしたり、嫌な事があったり普通の生活。
異常なのに正常な??
境界線は何処??????
考えるのはよそう
きっとそれは自分の前にはないのだから。
「ここだけの話だけどな、オーブの元首が来てるらしい?」
「え、どうして?」
「プラントで軍事利用されてる、自国のコーディネーターの回収だってよ。」
「へぇ。」
軍に帰る途中そんな話をしながらシンはふと今朝の事を思い出していた。
物々しい警護に包まれて歩く二人の男女の姿を。
前を向いて緊張する少女、男の方と目があった。
サングラス越しに、何故か鋭い視線。
軍人である自分を責めるような。
じゃあ、あなたも戦争が嫌いな人ですか?
あのときも思った、責められるのは心地がいい。
戦う事でしか生きる糧をえられない、自分、言い訳したってやっぱり嫌いだから。
今、真相を悟りながら思う
あなたは救いの神?
でも、もう遅いよ。
戦争は、始まってしまった。
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はい、というわけで遅くなりマシが新シリーズ第一作目。 |