お前があんまりはっきりと言い切るから。
俺は不安で、仕方なくなるんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

君と僕

 

 

 

 

 

 


「大丈夫だよ、無茶はしないから。」
 そう言って、フリーダムは、キラはコロニーの中に消えていった。
 ドッグに行ってみるとアークエンジェルは酷い傷で、確かにメカニックの分かる人間が一人でも多く必要だというのは分かる。
 戦い慣れないオーブの戦闘員に指示して、

この選択は正しかったはずだ。

けれどなんだろう、この胸騒ぎは。

耳の奥にこだまするのは、迷いないキラの声、しかし。

 

「クルーゼ隊よ。」

 

 その声に、居ても立っても居られなくなる。

 不安に、無線のチャンネルを開いた、聞こえない。

 唇を、噛みしめる。

 キラが心配で、けれど自分が離れればこの3艦を守れる保証はない。

 自由意志とはいえ、見捨てる事なんて出来ないから。

 結局、却って何も選べなくなってる自分に気が付くだけだった。

 

 

 

「キラ、」
 急いで駆け寄ってメットを取ると、その下にある顔は青ざめていた。
「キラ、お前。メンデルで何があった。」
 肩を揺さぶっても、
「アスラン。」
 小さくそう呟くだけ。戦闘はちゃんとこなしていたけれど、やっぱり。
 とにかくパイロットスーツを着替えさせて部屋に連れて行く、それなのに座らせてやっと口を開いたかと思ったら。
「ディアッカさん達はどうしてる?」


まったくこいつは、何処まで。

「あいつらなら二人とも無事でアークエンジェルに収容されてる。そんな事よりお前は、」
 自分の事を心配しろと言う前に、
「言ったんだ、僕とアスランのようにはならないでって。」
 キラの言葉に、全てを封じられた。
「何が、言いたい。」
 尋ねてしまったのは、時々あまりにも不安になってしまうから。
「誰かが、大切な人を憎むのは、もうごめんなんだ。」
 確かに、あんな酷い思いはもう二度と味わいたくない。
  あの日々、キラを殺したと思いこんでいたあの日々。
  心には闇しかなかった。
  けれど後悔する事すら出来なかった軍人の自分、ニコルの友達であった自分。
 それに比べたら、今はまだマシなのかも知れない。けれど、
「だったら、俺を置いていくな。」
 アスランはキラを抱きしめた。
「お前が一人でコロニーに降りて、そこにラウ・ル・クルーゼが居ると聞いて俺がどれだけ心配したと思う。」
「アスラン。」
 キラはアスランの背中をそっと抱き返す。
「そして帰ってきたら青白い顔で。」
 それなのに、何も出来ない自分。
「ごめんね。」
 キラはアスランの腕を退けるとその唇に口付ける。
「アスランだから、信頼してたから。」
 反則だ、そんな事言われたら反論なんて出来なくなる。目を離すとキラがどうにかなってしまうんじゃないかなんて不安、そんな不信口に出せる分けない。
「やっぱりお前には勝てないよ。」
 だから知りたいのに、聞けない。何があったのか。それでも、
「取り敢えず眠れ。」
 そう言って、背中を叩いてやる。

 

 

 多分それがキラにとって一番大切な事だから。